一章 始まりは耐えてぶが世の習え

04.見て学ぶ。それが見学ですよね?



触れられるものは一体何なのだろうか。

過去という名の思い出?
今という名の日々?
将来という名の夢?



どれも触れられないものだ。


それを僕は知っている。

どれも触れることはできない。

全てに始まりの時があるのではない。

全ては連続、連なり続いてゆく。

全ては繋がり、一本の糸ではなく雪の結晶のように美しく儚く編みこまれたもの。

だからこそ、


ただ、立って歩んでゆくしかないんだ。

手探りで進む壁などない。


壁なんてただの妄想だ。

立って立って立って


進め進め進め


その足が折れようと無くなろうと



心を飛ばせ