章・語らぬは己がの強さか弱さか

01.譲れないもの


 

越えるべき壁が無くなったとき、人はどうすればいい。

今まで信じて疑わなかったレールから降ろされ、

別のレールの切符を渡されたとき、人はどうすればいい。

あぁ、確かにあの日の雨音は運命の歯車が狂う音だった。


あぁ、確かにあのときから俺は僕であることを余儀なくされた。


あぁ、確かに。


あぁ、確かにこの世界は狂ってきているよ、兄さん。


俺はただ、地味でつまらない日々がほしいだけなのに。

何でほっといてくれないかな

運命はとことん俺に嫌がらせをするつもりらしい。


はぁ。