巨大スクリーンが天井から降りてきてロビーに現れた。
写し出されると、デフォルメリリィが看板を持っている。
『私の制服を決めるのは貴方です。可愛く…してくださいよ?』
リリィちゃーん!!
どこからともなく歓声があがる。
当のリリィはそしらぬ顔で、待機している。
悠に囁いた。
「少しお待ちいただけますか?こうなると天照は全ての機能を停止致します」
「駄目じゃないですか、それ!」
しかし、もう止まらない。
『では、まずは会長直々のエントリーナンバー1悪魔系ゴスエロリ、【貴方のheartをいただきよん】』
写し出されたのは、黒いビラビラした服を纏いつつも、
胸元や腰回りにさりげないチラリズムを取り入れた、美しくなまめいたリリィ。
頭には悪魔の角、尻には尻尾がうねっている。
「……リリィさん、アレ着るんですか?」
「…座りにくいと判断いたします。」
『続きまして、和久様によるエントリーナンバー2
爽やか夏気分【ひまわり畑に連れてって】』
そこにはうってかわった姿の満面の笑顔のリリィが写し出された。
花の付いた麦わら帽子を被り、白いサテンのワンピース。
裾はふんわりと広がるタイプで、膝が見えかくれしている。
あまりヒールが高くないサンダルが素足を魅力的にしている。
「まあ、まだましですね」
「少しここでは寒そうに見えると思われます」
『そして、最後に和泉様エントリーナンバー3
天使系ゴスロリ【不思議の国のリリィ】』
そこには、白を基調としたリリィの姿。
可愛らしさを全面に出している。
頭にはウサギ耳がつけられ、カチューシャの青リボン、
縁が黒色のレース。
髪は下ろされ、縦巻きロールされている。
肩がふっくらとしたシャツのうえにはエプロンに似たワンピース、
裾は何重にも重ねられたレースで奥が隠されている。
前は短く、ゆるやかなカーブで後ろは長くなっている。
足は太股まである白い靴下―オーバーニーソックスで
縁にはカチューシャと同じリボンがつけられており、
ぷっくりしたブーツを履いていた。
その青と白、そしてさりげない黒のアクセントがアリスを彷彿とさせる。
「ウサ耳…これはまた…」
「頭が動かしにくいと判断いたします」
『では、投票前に各制服に対する熱い熱い主張をどうぞ!』
マイクを手に、まず和久が青少年の主張のごとく叫んだ。
『って親父、リリィにあんなハレンチな格好をさせる気か!いいか、リリィは天照の顔、シンボルや。
受付嬢をあんな格好させている天照が信用されると思ってるんかい!!悪魔だなんて、魂とったるでぇの代名詞やん!』
『リリィにだったらとられてもいいもんねぇー!!』
そーだそーだ!!
ギャラリーが叫ぶ。
『お前の方こそなんだよ、あの痛々しいまでの夏のお約束は』
『ふっ甘い。甘い!』
好青年に見えた和久は熱く語り始めた。
『ええか、これは一夏のアバンチュールや。この姿は全ての人間に懐かしさ、憧れを思い起こさせる!
ええ年のおっさんは昔あのとき、熱い恋に燃えた夏を思い出すやろ。若い兄さんやったら恋人に着せてみたいと憧れを持つやろ。
小さいガキんチョやったら憧れのお姉さんを思い出す!
せやなかったらリリィが憧れの君になるんや。』
ノッテキタ
『しかも、リリィはストッキングなんぞ履いていない。
惜し気もなくさらされた足、天然の肌の白さ、なによりもこの無防備な踝!』
びしぃっと足首を指した。
『この足首の細さが女のか弱さ、優しさの象徴!!さりげなく魅せるサンダル!!』
ぉお!!
『お約束の何が悪い!お約束がお約束になるんは、皆の憧れがあるからや!永遠に語り継ぎたいからこそ、よく使われるんや!!』
お約束こそが萌えの真理!!!!
ぉおお!!!
しかしヒニルな―余裕の笑みを劾は浮かべる。
『ふっ馬鹿め!お約束など所詮与えられた萌え!意外性を付くからこそ、胸にぐっと、ぐっとくるんだなぁ!!』
スクリーンは悪魔リリィを写し出す。
『確かに悪魔は悪いイメージがつく。しかし、これは悪魔ではない。子悪魔だ!!』
『なんやと!?』
動揺で和久は後ずさった。
何なんだこののりは。
『子悪魔…つまり、憎めないドジッ子!!
子悪魔といいうだけで、少々悪さをしても許される特権がある!!
かわいらしさとエロさを兼ね備えた究極の存在!!
しかもリリィが子悪魔化するんだなぁ!
いじわるをしなくてはいけないリリィの躊躇いの顔を我々は拝めれるんだなぁ!!』
ぅぉおお!
歓声は唸りをも伴った。
『そして、客層はだいたい青年男子が多い。
男が子悪魔女にひかれなくて何に引かれる!
そしてリリィの保護者制限ぎりぎりかもしんない露出!!男ならこれに逝け!!』
おー!
『さて、和泉様の主張はどうですか?』
和泉はにやりと笑った。
『ふっ父も兄もまだまだやね。
この格好は、次世代萌えなのよ!!』
悠は頭が痛くなってきた。
これが天照か。
『いい、みんな?さっき変態父が叫んでいたように与えられた萌えに萌えるのは初心者よ。』
なんの初心者か考えたくもない。
スクリーンはウサギリリィが写し出された。
『あたし達は自分萌えをこの中からさがしだすのよ!!
そう、例えばミニスカが好きな奴は前から見る!
ロンスカが好きな奴は後ろから見る!
MY萌えはニーソよ!
太股まで隠された肌が、スカートに挟まれた間だけさらされ、
且つリボンの黒によってリリィの肌の白さまろやかさが強調される!!
女の肌は隠してなんぼ!微かな露出で最大の魅力を引き出す!!』
いやもう、力説ですか?
『しかもよ、これはバニーちゃん!!
従来のエロネタにしかならない網タイツじゃない。
子供にも『ウサギちゃん』と喜ばれ、奥様方にも安心して見せれる制服!
そして見なさい!このリリィは髪を下ろしているのよ!!
いつもはお団子のなかに隠された髪が解き放たれているのよ!
髪が下ろされたことによって、リリィの髪を耳にかけるさりげない動作が!
そのときに見える耳、首筋の美しさが!まさに清潔なチラリズムが楽しめるのよ!!』
この制服にはリリィのありとあらゆる魅力を引き出す力がある!!
清潔って、邪まな視線の前ではどうでしょう?
『みんな、与えられた萌えはありきたりなものよ!
自分の萌えを追求し続けましょう!!
そう、胸を張っていいましょう!
可愛いものを可愛いと言って何が悪い!!』
可愛いものを可愛いと言って何が悪い!!
『自分萌えを、リリィから発掘したいか!』
したぁい!!
和泉は煽動する。
『ならば私に付いてこい!ヴァルハラに連れていってやる!』
もちろんリリィ付きだ!!
うぉぉぉおおおお!!!
天照に、今までで最大級の歓声があがった。
リリィは、真面目に頷いた。
「和泉様の勝利だと判断いたします」
「…ツッコミそこですか…」
悠は……つまり、その。
正直泣きそうだった。
写し出されると、デフォルメリリィが看板を持っている。
『私の制服を決めるのは貴方です。可愛く…してくださいよ?』
リリィちゃーん!!
どこからともなく歓声があがる。
当のリリィはそしらぬ顔で、待機している。
悠に囁いた。
「少しお待ちいただけますか?こうなると天照は全ての機能を停止致します」
「駄目じゃないですか、それ!」
しかし、もう止まらない。
『では、まずは会長直々のエントリーナンバー1悪魔系ゴスエロリ、【貴方のheartをいただきよん】』
写し出されたのは、黒いビラビラした服を纏いつつも、
胸元や腰回りにさりげないチラリズムを取り入れた、美しくなまめいたリリィ。
頭には悪魔の角、尻には尻尾がうねっている。
「……リリィさん、アレ着るんですか?」
「…座りにくいと判断いたします。」
『続きまして、和久様によるエントリーナンバー2
爽やか夏気分【ひまわり畑に連れてって】』
そこにはうってかわった姿の満面の笑顔のリリィが写し出された。
花の付いた麦わら帽子を被り、白いサテンのワンピース。
裾はふんわりと広がるタイプで、膝が見えかくれしている。
あまりヒールが高くないサンダルが素足を魅力的にしている。
「まあ、まだましですね」
「少しここでは寒そうに見えると思われます」
『そして、最後に和泉様エントリーナンバー3
天使系ゴスロリ【不思議の国のリリィ】』
そこには、白を基調としたリリィの姿。
可愛らしさを全面に出している。
頭にはウサギ耳がつけられ、カチューシャの青リボン、
縁が黒色のレース。
髪は下ろされ、縦巻きロールされている。
肩がふっくらとしたシャツのうえにはエプロンに似たワンピース、
裾は何重にも重ねられたレースで奥が隠されている。
前は短く、ゆるやかなカーブで後ろは長くなっている。
足は太股まである白い靴下―オーバーニーソックスで
縁にはカチューシャと同じリボンがつけられており、
ぷっくりしたブーツを履いていた。
その青と白、そしてさりげない黒のアクセントがアリスを彷彿とさせる。
「ウサ耳…これはまた…」
「頭が動かしにくいと判断いたします」
『では、投票前に各制服に対する熱い熱い主張をどうぞ!』
マイクを手に、まず和久が青少年の主張のごとく叫んだ。
『って親父、リリィにあんなハレンチな格好をさせる気か!いいか、リリィは天照の顔、シンボルや。
受付嬢をあんな格好させている天照が信用されると思ってるんかい!!悪魔だなんて、魂とったるでぇの代名詞やん!』
『リリィにだったらとられてもいいもんねぇー!!』
そーだそーだ!!
ギャラリーが叫ぶ。
『お前の方こそなんだよ、あの痛々しいまでの夏のお約束は』
『ふっ甘い。甘い!』
好青年に見えた和久は熱く語り始めた。
『ええか、これは一夏のアバンチュールや。この姿は全ての人間に懐かしさ、憧れを思い起こさせる!
ええ年のおっさんは昔あのとき、熱い恋に燃えた夏を思い出すやろ。若い兄さんやったら恋人に着せてみたいと憧れを持つやろ。
小さいガキんチョやったら憧れのお姉さんを思い出す!
せやなかったらリリィが憧れの君になるんや。』
ノッテキタ
『しかも、リリィはストッキングなんぞ履いていない。
惜し気もなくさらされた足、天然の肌の白さ、なによりもこの無防備な踝!』
びしぃっと足首を指した。
『この足首の細さが女のか弱さ、優しさの象徴!!さりげなく魅せるサンダル!!』
ぉお!!
『お約束の何が悪い!お約束がお約束になるんは、皆の憧れがあるからや!永遠に語り継ぎたいからこそ、よく使われるんや!!』
お約束こそが萌えの真理!!!!
ぉおお!!!
しかしヒニルな―余裕の笑みを劾は浮かべる。
『ふっ馬鹿め!お約束など所詮与えられた萌え!意外性を付くからこそ、胸にぐっと、ぐっとくるんだなぁ!!』
スクリーンは悪魔リリィを写し出す。
『確かに悪魔は悪いイメージがつく。しかし、これは悪魔ではない。子悪魔だ!!』
『なんやと!?』
動揺で和久は後ずさった。
何なんだこののりは。
『子悪魔…つまり、憎めないドジッ子!!
子悪魔といいうだけで、少々悪さをしても許される特権がある!!
かわいらしさとエロさを兼ね備えた究極の存在!!
しかもリリィが子悪魔化するんだなぁ!
いじわるをしなくてはいけないリリィの躊躇いの顔を我々は拝めれるんだなぁ!!』
ぅぉおお!
歓声は唸りをも伴った。
『そして、客層はだいたい青年男子が多い。
男が子悪魔女にひかれなくて何に引かれる!
そしてリリィの保護者制限ぎりぎりかもしんない露出!!男ならこれに逝け!!』
おー!
『さて、和泉様の主張はどうですか?』
和泉はにやりと笑った。
『ふっ父も兄もまだまだやね。
この格好は、次世代萌えなのよ!!』
悠は頭が痛くなってきた。
これが天照か。
『いい、みんな?さっき変態父が叫んでいたように与えられた萌えに萌えるのは初心者よ。』
なんの初心者か考えたくもない。
スクリーンはウサギリリィが写し出された。
『あたし達は自分萌えをこの中からさがしだすのよ!!
そう、例えばミニスカが好きな奴は前から見る!
ロンスカが好きな奴は後ろから見る!
MY萌えはニーソよ!
太股まで隠された肌が、スカートに挟まれた間だけさらされ、
且つリボンの黒によってリリィの肌の白さまろやかさが強調される!!
女の肌は隠してなんぼ!微かな露出で最大の魅力を引き出す!!』
いやもう、力説ですか?
『しかもよ、これはバニーちゃん!!
従来のエロネタにしかならない網タイツじゃない。
子供にも『ウサギちゃん』と喜ばれ、奥様方にも安心して見せれる制服!
そして見なさい!このリリィは髪を下ろしているのよ!!
いつもはお団子のなかに隠された髪が解き放たれているのよ!
髪が下ろされたことによって、リリィの髪を耳にかけるさりげない動作が!
そのときに見える耳、首筋の美しさが!まさに清潔なチラリズムが楽しめるのよ!!』
この制服にはリリィのありとあらゆる魅力を引き出す力がある!!
清潔って、邪まな視線の前ではどうでしょう?
『みんな、与えられた萌えはありきたりなものよ!
自分の萌えを追求し続けましょう!!
そう、胸を張っていいましょう!
可愛いものを可愛いと言って何が悪い!!』
可愛いものを可愛いと言って何が悪い!!
『自分萌えを、リリィから発掘したいか!』
したぁい!!
和泉は煽動する。
『ならば私に付いてこい!ヴァルハラに連れていってやる!』
もちろんリリィ付きだ!!
うぉぉぉおおおお!!!
天照に、今までで最大級の歓声があがった。
リリィは、真面目に頷いた。
「和泉様の勝利だと判断いたします」
「…ツッコミそこですか…」
悠は……つまり、その。
正直泣きそうだった。